反田恭平&Japan National Orchestra
才能とはこういうものを言うのか。と思わせる圧倒的な演奏でした。
それでいて、才能という一言で片付けてしまうのは失礼と思わせる、これまでの積み重ねの重みを感じずにはいられない音楽。
昨日12月15日、静岡市民文化会館で反田恭平プロデュース Japan National Orchestra 2022 ツアー 静岡公演に行ってきました。
大ホールは満席。グッズ売り場も人であふれていました。
プログラムは
ベートーベン『レオノーレ序曲』
モーツァルト『交響曲 第38番 プラハ』
ベートーベン『ピアノ協奏曲 第4番』
オーケストラは35名位の全員とても若いメンバー。
顔もですが体型も皆スレンダー。
1曲目はチェロとコントラバス以外は立っての演奏でした。
オーケストラが立って演奏するのを見るのは初めてでしたが、各メンバーがソリストのような雰囲気で、生き生きとはつらつとした雰囲気でした。
2曲目からは普プログラムが進むごとにオーケストラの演奏が充実していくのが楽しく、聴き応えがありました。
反田さんの指揮は、指揮棒を持たず両手を指の先まで表現豊かに繊細に動かしていました。
また、体を上下左右、前後に大きく動かし、腕も空気を斜めに大きく動かすように振ったりと、指揮台上の空間をめいっぱい使っているようでした。
でも、決してオーバーアクションでも派手でもなく、美しい音楽を作り出す指揮でした。
手から、腕から音があふれ出しているような、手で楽器から音を引き出し、丁寧に音楽を作り出しているような、、、引き込まれました。
コンチェルトでは、指揮をしながらの演奏。
オーケストラとピアノの音のバランスが絶妙に融合していてとても心地よい響きでした。
団員が指揮者を、指揮者がオーケストラを信頼し、ピアニストがオーケストラを信頼しているのがよく伝わってきました。
第1楽章で多く出てくるピアノの長いスケールは、水の上を指1本で滑るような美しさで、何度出てきても鮮やかでした。
装飾音符は柔らかく軽やかでフルートのような音色。
何より、ピアノの1音1音の音色が多様で、音が様々な感情を持っているような響きをしていました。
フレージングは物語や詩を語るようでどの旋律も鮮烈に印象を残しました。
万雷の拍手とスタンディングオベーションのあと、アンコールは
シューマン=リスト『献呈』
ブラームス『6つの小品』より『間奏曲』
の二つでした。
ブラームスでは美しさに思わず目が潤んでしまいました。
演奏後や終演の挨拶、アンコールへの応え方からも反田さんの人を大切にする温かい人柄が伝わってきました。
まだ28歳なんですよね。
本当に魅力的な方で、これからの活躍に目が離せません。
興奮がまだ冷めやらず、ここに書き切れない思いがまだまだあるのですが、長くなりましたのでこのあたりで終わります。
1月に富士のロゼシアターで催される反田さんと務川さんとの2代ピアノコンサートツアー2023も是非聴きに行きたいと思い、抽選に応募しました。当選しますように☆彡
今日の1曲は、反田恭平さん指揮とピアノ、Japan National Orchestraでモーツァルト/ピアノ協奏曲第17番 ト長調 K.453 第1楽章を。
今日も最後までおつきあいいただきありがとうございました。
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