幼児の自由な発想と大人の固定概念

 2才、3才の幼児さんのレッスンで、1,2,3,4,5の認知を高めるためにワークシートによる学習を取り入れています。テキストもたくさん出ていますが、私は自作のワークシートを使っています。先日、こんなワークシートを作りました。

 3才0ヶ月のNちゃんに、『この丸の中に同じ色のシールを、書いてある数字の数貼ってね。』と指示しました。丸と同じ色を選び、丸の中に書かれている数字と同じ数のシールを貼るという2つの思考過程を要します。

 私は、色の丸の中にシールを貼るという想定でプリントを作りました。生徒が同じ色のシールを選んで丸の中に貼ると思い込んでいましたが、、、。

 まず、赤いラインの丸の中に1が書かれているところ。丸の中に赤いシールを1つ貼ると思っていると、Nちゃんは次のように貼りました。

 私『・・・(丸の中に貼っていないけど・・・ずれちゃったかのな・・・)、はい。赤いシールを1つ貼りましたね。正解!』

Nちゃんはにっこりして、次は5が書かれているピンクの丸に取りかかりました。すると、先ほど私が感じた『・・・』が解決。

 Nちゃんはピンクの線の上にピンクのシールを貼っていったのです。まさに、同じ色を重ねたのです。

 『同じ色のシールを貼る』という課題は、確かに同じ色の線上にシールを貼るということがNちゃんの発想だったのです。

このときNちゃんのお母さんと『ああーー(*^▽^*)』と感嘆の声を上げました。

 出来上がったワークシートに、Nちゃんは『ヒットだ!』のスタンプを選んでポンッしました。


 最初に貼った時点で『そこじゃないよ。丸の中に貼ってね。』と言わなくて良かったと、胸をなで下ろしました。幼児さんの発想って、思考が固定観念、概念で固くなっている私の脳を刺激してくれます。この豊かな発想や想像力を損なうことがないよう、頭を柔らかくするとともに、謙虚な気持ちをもって、レッスンに臨んでいかなければと、思いを新たにしました。


 今日紹介する曲は、シューマンの『子どもの情景』をサンソン・フランソワの演奏で。

今日も最後まで読んで下さり、ありがとございました。

Felice富士ピアノ教室

Felice富士ピアノ教室(フェリーチェ)は、ピアノが生涯の趣味になるよう生徒一人一人の個性や特性に応じたレッスンを通して、音楽が人を幸せにすることの実現を目指しています。  ピアノ演奏現役講師が演奏技術と表現力の向上を個に応じたアプローチで育みます。 また、公立中学校34年勤務の実践と特別支援教育士の見識を生かし、レッスンで生徒さんの力とやる気を引き出し伸ばしていきます。

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