きれいな音を
12月のFelice発表会を控えて、近頃のレッスンでは生徒さんの取り組みの変化が感じられます。
元々まじめな生徒さんばかりなのですが、『発表会では2曲挑戦したい。』とか、『難しい曲を弾きたい。』、『自分は、明るい曲よりも悲しげな曲が好きなので、そういう曲を弾きたいです。』、『先生が選んでくれた2曲目の曲、早く弾きたいから楽譜をください。』(1曲目の完成度がもっとアップしたらね。次回期待してます。)等々、これまで受け身だった生徒達が、選曲にも前向きです。
今回は発表会に向けて、高い完成度を生徒達に求めています。
1つは『ノーミスを目指そう!』
2つめは『ここで美しい音を出そう。』
Feliceは昨年7月に開講したばかり。1番長い生徒でもまだ1年3ヶ月ほどです。なので、音色については『ここは元気な音を出そう。』『ここは明るい響きの音を出そう。』『あなたの弾き方をするときと、先生の弾き方の音を聴き比べてみて。』というように助言してきました。
今取り組んでいる曲には、これまでの曲にない高度な発想記号が出てきます。その意味を理解し曲想を付けていく段階に入っていますが、その中で『きれいな音』『美しい響き』を弾こうという声かけをしています。
具体的には、左手の和音やアルペジオの上を右手の単旋律が流れているところで、『このメロディーを美しい音で弾こう。』『きれいな音を出そうと意識しながら弾こう』『このメロディーを気持ちを込めて弾いて、きれいにうたおう。』とか、曲の終わりの部分で『最後の和音は指先に神経を集中してきれいな響きを出そう。』『4つの音の和音のソプラノの音を響かせるように鳴らしてみて。』というような言い方で伝えています。
それを受けて生徒さんは、『きれいな音』を出そうと、指に意識を向けて、音を聴こうとしてくれます。
よい音を奏でるというのは、簡単ではないですが、『よい音』『よりよい音』を出そうと日頃から意識していく習慣を付けて欲しいと思っています。
レッスンで生徒さんがよい音を追求するには、ピアノがそれに応えてくれなければならないので、ピアノがよい音を出しているか気を配っていかなければと思っています。
今年は6月7月に弾き込む時間が多かったためピッチの狂いが気になり、3回調律をしてもらいました。アップライトでもグランドでも調律は最低でも年に1回必要ですが、レッスンで音を聴き分ける力が成長中のこどもたちが弾くピアノですから、これからは1年未満でも、ピッチの狂いを感じたら調律をしてもらうようにしようと考えています。
もう少し大きくなってコンサートに行けるくらいの年齢になったら、良い生の演奏を聴いてもらって、更に美しい音のイメージを持てるようになって欲しいと考えています。
今日の音楽は、先週もご紹介しました、ショパンコンクール2位入賞の反田恭平さんの1次審査の演奏を。
『ノクターン ロ長調 Op.62-1 』
『エチュード ハ長調 Op.10-1、ロ短調 Op.25-10』
『スケルツォ第2番 変ロ短調 Op.31』
反田さんの指から紡ぎ出される美しい宝石のような音を堪能して下さい。
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