ピアノのメンテナンス
約40年愛用している私のピアノ、ヤマハC3をこれまでとは別の調律師さんに診てただきました。今までの調律師さんもコンサート調律師ですが、今回診ていただいた方もコンサート調律師として活躍されています。
6月に調律した時に、このピアノが寿命で買い換えを勧められたので、直後に今回の調律師さんとお話しする機会があったとき、一度診ていただけませんかとお願いをしました。別のプロの方の意見も聞いてみたいと思ったからです。また、その時に前回のブログに書いたグランドピアノフェアに招待していただきました。
今日のために事前にメールでやりとりをし、悩んでいることや、望んでいる音質等を伝えました。
いらしてからも、ピアノの音を出しながら、要望を聞いてくださいました。ハンマーの打弦距離や戻りの距離等の微調整をしてタッチを改善。
経年で固くなっているハンマーに針を刺して弾力を戻し、更に整える『整音』という作業。全てのハンマーです。
調律も。
なんと3時間半以上もかけて丁寧に作業をしていただきました。
作業が終わってから確認のために弾いてみると音質が大きく変わっていました。端的に言うと柔らかい音。今までの音はクリアにはっきりと響く音でした。やさしく鳴り、響きもこもっておらず、温かみのある音になりました。
いろいろな四方山話に花を咲かせ、帰られた後、曲をいくつか弾いてみました。
やはり弱い音で弾くとよりわかります。特にここ最近弾いているバッハのゴールドベルク協奏曲のアリアの出だしは、音の立ち上がりが物足りない‥‥と思いましたが、よく言えば鳴りのよい、悪くいえばキンキン響いていた今までのピアノの音に慣れているせいかもしれません。
音質もタッチも変わり、んんん、、、というなんとなくもやもやする感じ。
1週間前にそうそうたるピアノの数々を良い部屋で弾き比べたばかりということもあるかもしれません。
その調律師さん曰く、話を聞いてもっとひどい状態を覚悟してきたとのこと。このピアノの状態は悪くはないということでした。買い換えは勧められませんでした。長期計画で検討してくださいとは言われました。
今回やっていただいた作業は整調、整音、調律と、メンテナンスのフルコースで、金額も相当かかることは覚悟していたのですが、超破格の15,000円! 3時間半以上もかかったのに。『日頃お世話になっていますし、先日のグランドピアノフェアにも来ていただいたので。』と。こちらこそステキなフェアに招待していただき感謝でいっぱいなのに。
このピアノの状態をしばらく味わいながら、買い換えるかどうするかを考えていこうと思っています。
今日紹介する曲はショパンの『幻想ポロネーズ』。調律師さんが作業しながら音質や鳴りを確認するために何曲か弾いていたのですが、この曲の冒頭を弾いているのが聞こえてきたのが印象に残りました。幻想ポロネーズの冒頭は壮大でかっこいいですよね。マルタ・アルゲリッチの演奏で♪
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