グランドピアノフェアに行ってきました
昨日9月18日台風14号が日本列島を横断する中、静岡市のすみやSBS通り店 リピエーノで開催されているグランドピアノフェアに行ってきました。6台のグランドピアノの試弾ができてプロの演奏家による弾き比べコンサートを鑑賞できます。
幸い台風の影響はなく、傘もほとんど差すことがなくすむくらいでした。友人のE子ちゃんと車でGO!
案内されてドアが開くと写真の光景が目の前に☆彡。胸が躍りました♫
しかも、約一時間の間、完全防音のリピエーノの中にE子ちゃんと二人だけ。二人で弾き放題です!
用意されていたピアノは、
・YAMAHA C3X espressivo:3,630,000円
・C.BECHSTEIN:5,500,000円
・ANT.PETROF:6,160,000円
・SHIGERU KAWAI:3,267,000円
・STEINWAY & SONS(ハンブルグ 中古)5,390,000円
・W.HOFFMANN:3,410,000円
の6台です。
私は楽譜をインストールしてあるタブレットを持参したので、存分に弾き、それぞれの違いを堪能しました。
その後には東京芸大で講師を務めるピアニスト入川舜氏による『響き体感!聴き比べコンサート』で6台のピアノの音色の違いをたっぷりと味わいました。
コンサートでは入川先生が前日に6台を弾き、どのピアノにどの曲を合わせるかを吟味してプログラムを組んだそうです。
プログラム
<前半>~1曲を2台のピアノで弾き比べ~各曲途中まで
・『バッハ作曲 ガヴォット』 HOFFMANN と SHIGERU KAWAI
・『ベートーベン作曲 ソナタ 月光』STEINWAY と PETROF
・『モーツアルト作曲 ピアノソナタK545』C3X espressivo と BECHSTEIN
・『ショパン作曲 革命』C3X espressivo とSHIGERU KAWAI
・『ジョプリン作曲 メイプル・リーフ・ラグ』 HOFFMANN と STEINWAY
・『ドビュッシー作曲 月の光』BECHSTEIN とPETROF
<後半>全曲演奏
・『バッハ作曲 パルティータ第2番よりロンド、カプリッチョ』C3X espressivo
・『フォーレ作曲 3つの無言歌』HOFFMANN
・『ベートーベン作曲 ワルトシュタイン』BECHSTEIN
前後半ともに一曲弾き終わるごとに、解説をしていただき、ピアノの特徴がより理解しやすかったです。また、曲についての簡単な解説もあり大変勉強になりました。
入川舜氏の解説によると、
長さが160㎝のホフマンと180㎝のカワイは音量的には同じ。
スタインウエイとペトロフは暗い響きを美しく出すことができる。
ヤマハエスプレッシーボとベヒシュタインは明快な音である。
面白い表現だったのは、ヤマハとカワイで革命を弾き比べたときに『ヤマハエスプレッシーボは大西洋や地中海の街で太陽を浴びながら食べる料理のよう。カワイは東南アジアで汗を吹き出しながら食べる料理のよう。』と表されました。シゲル・カワイについてはつかみにくい楽器で興味深いとおっしゃっていました。
ホフマンとスタインウエイはジャズピアノの少し調子っぱずれの音のような響きを表現できる。
ドビュッシーの月の光のような繊細な音使いが必要な曲にはベヒシュタインとペトロフが合っている。ペトロフは木目で装飾が施されている外見の美しさで視覚的によい音に聴こえる。
というようなお話でした。
最後に質疑応答もあり、このような機会は滅多にないので、どうしても知りたかったことを私も質問させていただきました。『時代や作曲家、曲の違いによって、ピアノをベストチョイスできるのは最高ですが、個人がグランドピアノをこの中から購入するとしたら、どれがおすすめですか?』と。すると、各ピアノの特徴をかいつまみながら話していただけました。
・ヤマハはオールラウンダーで、選択肢が広い。現在ヤマハが技術の粋を結集させて作り上げたC3 espressivoの販売に総力を挙げているが、エスプレッシーボでなくてもよい音のピアノがヤマハには沢山ある。
・スタインウエイは個性が強く、当たり外れがあるだろう。そういう意味では外車選びと同じ。選ぶなら慎重に。
・ベヒシュタインとホフマンは最近日本でもよく出てきている。ヤマハに近い音色である。
・シゲル・カワイはすばらしいが、、、カワイの力ではもっとよい物があるはずと思う。
・ペトロフについてはよくわからないと言うことでした。
ちなみに、入川先生はヤマハのグランドピアノから最近買い換えたそうで、お話からどうやらホフマンかベヒシュタインということまでわかりました。入川先生はバッハの演奏が多いので、最初にバッハのガヴォットを弾いたときに選んだホフマンではないかと想像しています。
今回私は、ヤマハのC3X espressivoの試弾が目当てでした。espressivoの購入を考えている最中だったので。
espressivoを弾いたり聴いたりしての感想は、『音の粒立ちがいい』ということです。低・中・高音域それぞれの音質の美しさのバランスがよく、ゴムまりのような弾力のある音。表現の幅を広げてくれる音だと思いました。
どのピアノもそれぞれステキな音で、この音に包まれて練習したら、疲れを感じないだろうなと思いました。
スタインウエイは弾いている自分には音の鳴りがいまいちで、とても物足りなく感じるのですが、弾いているのを離れたところで聴くとぐーんとなります。まるでリピエーノの真ん中に大きなスピーカーがあるようにきこえました。これは、ロゼの小ホールでも感じたことです。不思議ですね。
また、今回思いがけず、今取り組んでいるワルトシュタインの演奏を聴くことができました。それも一番前の手を伸ばせば触れそうな距離で、指の動きも繊細なペダリングもじっくりと見ることができ、それはもう幸せでした♡ 入川氏のコンサートの告知があり、12月に静岡でなんとこれも今取り組んでいる『ゴールドベルク変奏曲』全曲が演奏されるそうです。これは行かなきゃ!
帰りの車の中で興奮収まらない二人はピアノ談義に花を咲かせました。
今日紹介する曲は、このコンサートで演奏され、入川先生が『宝石のように美しい』と評されたフォーレの『3つの無言歌』を。
今日もお付き合いいただきありがとうございました。
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