私のピアノの勉強


 私はこの5年ほど、市内の個人でやっているピアノ教室の特別レッスンを受けていました。何が特別なのかというと、市外から月1度いらっしゃる講師の先生のレッスンです。その先生の門下からは、プロの演奏家や音大の教師が輩出されています。そのレッスンを私を含め8人ほど受講していたのですが、1回きっちり30分なので、毎回もう少し見ていただきたいなあと思っていました。それで、これまでのお教室に通うのは辞めて、その先生のご自宅でレッスンを受けることになりました。

 自動車で1時間と少しの場所にあるそのお宅に着いてびっくり。門を車で入ると、そのまま車が通る道を進み、広い敷地内にある駐車場に。『家』とか『お宅』というより『お屋敷』が2棟。駐車場の奥には白いなまこ壁の大きなお蔵まで。。。

 玄関から圧倒されながらレッスン室に通されました。天井が高く広いレッスン室にはヤマハのグランドピアノが2台。大きなシステムシステムスピーカー、ステレオ。あこがれのお部屋でした。

 でも、本当の意味で感動したのはレッスンでした。

 今回見ていただいたのは、バッハの『ゴールドベルク変奏曲』のアリアとベートーベンの『ワルトシュタイン』の第1楽章。

 ゴールドベルクでは、バッハの時代にこの音楽が演奏されたときの音の響きを再現すること。石造りの教会やお城での演奏された響きを出すようにペダリングについて指導を受けました。また、3声の各声部の響かせ方を部分的に取り出して教えていただきました。

 そしてワルトシュタイン。

 この曲はピアノコンチェルト(協奏曲)だと思って表現するように言われました。その解釈がとてもステキでした。

 まず出だしピアニシモで低音部での8分音符による和音の連打は、”コントラバスとチェロとビオラ”。27小節目の装飾音符から始まる3拍の高音のフレーズはフルート。34小節目の6声の並進行は管楽器。ここはバイオリンのピチカートなど、響きのイメージがわく解説。

 8小節ぐらいごとに止めて、ペダリング、旋律や和音の響かせ方、アーティキュレーション等について細かく丁寧に教えて下さいました。特に細かなアーティキュレーションでは、左手で短音の3連符が6小節にわたって続くところで、3連符の3つめと次の1つめの音の弾き方でベートーベンらしくなる。という細かいわざまで教えていただきました。そのテクニックは難しくてこれからかなり練習しないとその域には到達しそうにありません。

 鍵盤から指先を離さないで両手で速い速度で連打するピアニシモでの和音の奏法。先生の範奏はかっこよかったぁ。(ちなみに先生は私より年長の女性です)

 ペダリングについてはとても細かく丁寧に教えて下さいました。


 帰ってから教えていただいたことを楽譜に書き込み、さらいました。オーケストラの楽器に例えていただいたのは、音を作るのにとてもイメージしやすく練習も楽しいです。私もこんな風なアドヴァイスが出来る様になりたいなあと、しみじみ思いました。

 ゴールドベルクは78ページ(全音版)、ワルトシュタインは42ページ(ヘンレ版)の長さ。仕上がるまではかなりの長丁場になりそうですが、バッハの音楽、ベートーベンの音楽をしっかり勉強し、演奏力を高めたいです。


今日の音楽は以前にも紹介したワルトシュタインをエフゲーニ・キーシンの演奏で。わずか12才でショパンのピアノ協奏曲を演奏し世界中の注目を浴びたキーシン。華奢な体つきで赤毛の天然パーマのかわいらしかった少年(神童と呼ばれてましたよね)も49才。キーシンは演奏会で弦を着ることが多いとか。でも、この演奏ではそんな感じはなく、とても正統的な演奏だと思います。

Felice富士ピアノ教室

Felice富士ピアノ教室(フェリーチェ)は、ピアノが生涯の趣味になるよう生徒一人一人の個性や特性に応じたレッスンを通して、音楽が人を幸せにすることの実現を目指しています。  ピアノ演奏現役講師が演奏技術と表現力の向上を個に応じたアプローチで育みます。 また、公立中学校34年勤務の実践と特別支援教育士の見識を生かし、レッスンで生徒さんの力とやる気を引き出し伸ばしていきます。

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