フジコ・ヘミングのコンサート

いろいろと衝撃的でした。

川越にコンサートに行ってきました。
ウェスタ川越というホール。綺麗なホールで、客席は3階席まであり、ピアノの音がとても綺麗に響く音響も良いホールでした。

前から12列目のど真ん中というとってもいい席。

埼玉に住む友人が購入してあったチケット。一緒に行くつもりだったご主人が行けなくなり、誘っていただきました。

ヴァスコ・ヴァッシレフというバイオリニストとのジョイントコンサートで、バイオリンの最後に、ベートーベンの『春』の1楽章をフジコ・ヘミングの伴奏で演奏後、休憩を挟んでフジコ・ヘミングのソロでした。

フジコさん、登場は歩行器でやっとピアノの椅子に座る姿に衝撃を受けました。

『ずっと体調が悪くて。4年前から手と足の痺れが治りません。ちゃんと弾けるか、、、』

背中もずいぶん丸くなりました。

お衣装は、バイオリンの時は明るくカラフルな着物の袂のようなドレス。ソロの時は、淡い水色のガウン風の長いドレス。どちらも素敵でした✨
『エオリアンハープはノクターンに変えます』とおっしゃって、2番を最初に弾かれ、そのあとはプログラム通りでした。

音はとても美しく、旋律の浮かび上がらせ方もさすがだったのですが、どの曲も音量がなく、弱々しい感じがしました。

また、もともとミスタッチはある彼女なのですが、ミスタッチが非常に多く、ミスタッチ以上のタッチの痛々しさに、私は顔を下にしてしまうことが度々でした。

さらに衝撃的だったのが、ハンガリー狂詩曲2番。
この体調で弾けるのかと心配してしまいましたが、なんと途中で止まってしまったのです。迷う感じは見せずにワープして弾き始めましたが、明らかに両手が止まり音楽が途切れてしまいました。

でも、最後のラ・カンパネラが終わると万雷の拍手に応えて、歩行器を押して戻る中、手を振って応えてくれました。

目頭が熱くなりました。


今ネットで調べたところ彼女は今月5日に90歳になったところ。

年齢的にも体調的にも厳しくても、フジコ・ヘミングの音楽には、彼女の重ねてきた人生の年輪が感じられます。
そして、彼女が奏でる音には人を温かく癒す力があると思います。

コンサートに誘ってくれた友人に感謝です。
今日の1曲は、フジコ・ヘミングのショパン作曲ノクターン第2番を。

今日も最後までありがとうございました。

Felice富士ピアノ教室

Felice富士ピアノ教室(フェリーチェ)は、ピアノが生涯の趣味になるよう生徒一人一人の個性や特性に応じたレッスンを通して、音楽が人を幸せにすることの実現を目指しています。  ピアノ演奏現役講師が演奏技術と表現力の向上を個に応じたアプローチで育みます。 また、公立中学校34年勤務の実践と特別支援教育士の見識を生かし、レッスンで生徒さんの力とやる気を引き出し伸ばしていきます。

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